麻の基本知識

麻の基本知識

麻の種類

麻は、植物に含まれている繊維の総称で、20種近くあります。同じ麻と呼ばれながらも、原料となる植物によって、それぞれまったく性質が異ります。

私たちの身近にある麻は、リネン、ラミー、ジュート、ヘンプなどが代表的なものです。
 
名称 種別 短繊維長(mm)
太さ(ミクロン)
0主な産地 主な用途
【靭皮繊維】
亜麻
(あま)
 Flax
 Linen
 リネン
亜麻科
(一年生)
20~30mm
13~31ミクロン
 フランス
 ベルギー
 オランダ
 中国
 ロシア
 衣料
 寝装
 資材
苧麻
(ちょま)
 Ramie
 ラミー
 からむし
 まお
葦麻科
(いらくさか) 
(多年生)
20~200mm
42~66ミクロン
 中国
 ブラジル
 フィリピン
 マレーシア
 衣料
 寝装
 資材
黄麻
(こうま)
 Jute
 ジュート
田麻科
(しなのきか) 
(一年生)
1~4mm
15~25ミクロン
 バングラデシュ
 インド
 ミャンマー
 中国
 麻袋、紐
 カーペット基布
 ヘッシャンクロス
洋麻
(ようま)

 Kenaf
 ケナフ

綿葵科
(あおいか)

2~6mm

 タイ
 インド
 中国

 ひも
 パルプ代用
 壁材

大麻
(たいま)

 Hemp
 ヘンプ
桑科
(一年生)
5~53mm
10~50ミクロン
 イタリア
 中国 
 フィリピン
 ロープ
 衣料
【葉脈繊維】
マニラ麻  Abaca
 アバカ
芭蕉科
(多年生)
3~10mm
10~20ミクロン
 フィリピン
 エクアドル
 ロープ
 ひも
 帽子
サイザル麻  Sisal
 サイザル
石蒜科
(せきさんか) 
(多年生)
3~10mm
10~20ミクロン
 フィリピン
 ケニア
 タンザニア
 ブラジル
 メキシコ
 ロープ
 ひも

麻の特性

麻は、靭皮(じんぴ)繊維と葉脈(ようみゃく)繊維とに大別でき、靭皮繊維は、葉脈繊維よりも柔らかく、衣類、家庭用品等に利用されています。
その代表が、リネン(亜麻)とラミー(苧麻)です。
リネンとラミーの共通の特性は、おおむね次の通りです。

(1) 繊維が非常に強い

麻の繊維は、天然繊維の中で最も強靭で、水に濡れると更に強さを増す傾向があります。

(2) シャリ感、張りがある

麻の繊維の特性から、製品に「シャリ感」、「張り」、「通気性」があり、接触冷感と併せて「さわやか」な着心地を与えてくれます。

(3) 涼感を与えてくれる

麻の繊維は、天然繊維の中で熱の伝導性が最も大きいので、体温を奪って速やかに放熱させ、肌に「接触冷感」「涼感」を与えてくれます。

(4) 吸熱、発散性に優れる

麻の繊維の特性から、水分の吸湿、発散が速く、汗ばんでも肌にべとつかず、速く乾きます。

(5) 上品な光沢

リネンは生成り(亜麻色)や白、ラミーも白く絹の様な光沢があり、優雅な雰囲気を醸し出します。

(6) 伸度が低い

伸びの回転率が低い為、変形すると元に戻りにくく、「しわ」になり易い。しかし、その「しわ」により、体に接する衣類の場合接地面積が少なくなることから、清涼感を与えてくれるという面もあります。

(7) 混紡性に優れる

他の繊維との混紡、交織等を行っても麻の特性は失われず、むしろ相手繊維と融合して「新たな風合い」が生まれ、広い用途に使われています。

(8) 生分解性に優れる

植物性繊維のため生分解性にも優れる。 土に育くまれ、土に還るエコロジー時代の繊維として注目されています。

 

主な用途

(1)リネン(亜麻)とラミー(苧麻)
麻は春夏用衣料の代表

最大の特徴は、肌触りの清涼感からくる快適性にあり、我が国の蒸し暑い春夏の気候に適しています。古くから「夏は麻に限る。」として、シャツ、ブラウス、肌着、服地、着尺等に広く使用されています。今日ではソックスや、日よけ用の手袋にも重宝されています。

他の繊維との混紡等も広く行なわれています。

麻の吸湿性を活かしたものにハンカチーフがあります。 純白な麻のハンカチーフには、気品と清涼感が漂っています。 京都の舞子さんにも、化粧をくずさないで汗をふきとってくれる麻のハンカチは 人気です。 また、麻のフキンも、吸湿性の良くその上毛羽が残らずきれいに拭き取れる。 グラスタオルとして最適です。

日本古来の麻布(上布)

古い時代から広く愛用されてきた麻製品の一つに「上布」があります。 上布は、麻の細い糸を産地独特の技法で織りあげ、加工した高級な麻布のことで、よく知られているものに、越後上布(小千谷縮)、近江上布、能登上布、そして沖縄の宮古上布と八重山上布等があります。

 

(2)ジュート(黄麻)
麻袋と産業資材

ジュートは麻袋(ドンゴロス)として知られ、穀物(米、大豆等)の輸送、保管に使われ、高い評価を得ています(高く積み上げることができ、扱い易い)。
また、繊維の「強力」が大きく、耐久性に優れ、無公害であることから、農業、工業用資材、具体的には寒さ等から樹木を防護する幹巻き、根巻、寒冷紗(目のあらい、薄地の織物)、河川の土留用等緑化資材、街中での防水対策の土のう、インテリア用品等に広く使われています。

(3)ヘンプ(大麻)

近年、ヘンプはそのナチュラルな素材感からアパレル素材に多用されています。農薬や化学肥料を必要としないため、環境に優しくエコ素材としても注目されています。

一方資材用途としてもロープなどの索具類や鞄、袋類の素材として多く使用されています。  大麻の縄は伸びにくく、弓の弦などに使われるほか、古来より神聖な繊維として神社の鈴縄や注連縄など神事に使われています。

(4)ケナフ(洋麻)

ケナフは、ジュートの代用として麻袋に使われていましたが、最近、製紙用非木材原料としてナプキン等に使われています。空気中の炭酸ガスを吸収し、パルプの代用として広く使用されています。

(5)サイザル等の硬い麻

サイザル等は、麻ロープとして知られ、特に水中での腐食に強いことから、船舶用ロープ、漁網等に適しています。 また、繊維が短く強力が大きい特性から、製紙用(フィルター、紙幣)にも使われています。

 

麻に関する紀要

 

紀要 亜麻を対象として (PDF形式 サイズ:2,049KB)

名寄市立大学 道北地域研究所 「地域と住民」第28号抜刷

名寄市立大学機関リポジトリ

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投稿日:2019.11.16 更新日:

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